ものの永続性を見るための蓋の研究
教材・教具を考える段階で最初に考えなければいけないのが、「だれが使うか」、そして「どんな目的で使うか」です。
今回の試作品は蓋(ふた)です。
これは、「ものの永続性」を見るために使用する教材です。
お椀に蓋を乗せることが目的ではありません。
ものの持続性とは
ものの永続性とは、手のひらにあるものを乗せて見せた後、手やハンカチで隠しても、手の上にものがあると認識できることです。
今回はまったく同じお椀をいくつか用意して、その1つに物を入れて蓋をします。
蓋の形状や色、模様が異なれば、その違いで判ってしまいますから、全く同じ蓋を用意します。
まず、木型職人さんにイメージを伝えて、試作品を作っていただきました。
当社の製品の多くは木型職人、重田さんによって制作されたものです。
やはり、木製の教材は子どもの手にも優しく触った時にプラスチックや金属とは近い、余計な刺激がなく指導教材には最適な素材です。
しかし、今回の試作品少し問題があります!なぜでしょう?
何が問題かというと…
左側の蓋と右側の蓋では木目が違うからです。
木というものは自然物ですから、木目も様々です。
工業製品のようにハンコで押したみたいに全く同じ木目というわけにはいきません。
しかし、子どもはこの模様で覚えていては、正しい判断ができません。
そこで、次の試作品!
これなら大丈夫です!
取っ手も変えてみました。
このように、私たちの教材開発部は使う人、目的に合わせて、何度も試作を繰り返し、できるだけコストをかけずに指導用教材として提供できるように日々工夫を繰り返しています。
延滞セットの作り方をご紹介
簡易的に「ものの永続性」を見るために使用する教材を厚紙と安価な材料で作れる方法をご紹介します。
準備するもの
- お椀
- 同じものを2個
- 柄などがないものの方がよい。
- 椀のサイズは、手の大きさにもよりますが、口径(直径)が11~12cm程度のものが扱いやすいように思います。
- 厚紙
- 1枚
- 椀の径が2つとれる大きさ
- ペットボトルキャップ
- 同じもの2個
- 両面テープ
- 鉛筆など線を引くもの
- ハサミあるいは円切りカッター
- ※円切りカッター使用の場合は、カッターマット
作り方
- 厚紙に椀を伏せて置き、周囲に線を引く。【写真1】【写真2】 2枚分
- 1.をハサミで切る。※円切りカッターの場合は①の工程は必要なく、椀の口径に合わせて2枚の円を切り取る。
- ペットボトルの蓋(平らな部分)に両面テープをつけ【写真3】、厚紙の中央に貼る。【写真4】
- 出来上がり!【写真5】
カラーボードで作る蓋
※虹とおひさまでは、木製の蓋を販売しております。詳しくは下記までお問い合わせください。